2017年9月28日木曜日

日本政府、新興宗教「不二阿祖山太神宮」宣伝イベントを全面後援 ―安倍昭恵とカルト国家の淵源―

9月26日号の日刊ゲンダイに「隠れの昭恵夫人 今度はカルトイベントの名誉顧問に就任」というタイトルの記事が掲載されました。記事を読むと、これは「昭恵がオカルトに毒されている」という問題よりはるかに深刻な、国家の根幹に関わる問題であることがわかります。

森友学園と加計学園に関与したとされる安倍昭恵夫人。雲隠れしたまま説明責任から逃げ続けているが、またぞろ怪しげなイベントの広告塔を買って出ていることが明らかになった。10月14日から2日間の予定で熊本県で開催される「みんなのFUJISAN地球フェスタ“WA”2017」というイベントの名誉顧問を務めるのだ。顧問には石破茂氏、谷垣禎一氏といった国会議員もズラズラと名を連ね、内閣府、経産省、防衛省といった主要官庁のほとんどが後援団体になっている。(下線部引用者)

「私人」である安倍昭恵氏が、どの宗教法人と関係があっても、それ自体はたいした問題ではありませしん。しかし、特定の宗教法人がらみのイベントを主要官公庁が後援しているのは、政教分離原則への侵害です。そこに一私人が介入していたとすれば、これは国家の根幹を揺るがす大事件のはずです。


2017年7月30日日曜日

「過労デフレ」時代の処方箋―「人権の経済システムへ」要約

この文章は、エキタス京都からリリースされた私の論考『人権の経済システムへ―サビ残ゼロ・最賃アップ・消費税3%が開く新しい社会』の要約です。


本論の目的は、生命と人権に立脚した、全く新しい経済政策を提案することである。労働者を犠牲にする経済から、誰もが人間らしく生きられる経済へと転換することが、労働者だけではなく日本経済をも救うということを示したい。

日本社会は過去20年間にわたって、「経済のため」という名目で、多大な犠牲を労働者に強いてきた。正社員の過剰労働、非正規雇用の拡大、消費税増税、増大する社会保障負担などである。
特にサービス残業は深刻で、いまや正社員の約半分に浸透し、その被害総額は年間約27兆円にも及ぶ。にも拘わらず、日本経済は先進国の中で唯一衰退し続けている。

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「働いているのに経済が回らない」。それが働く人の素直な実感だろう。そして昨今、「日本人の働き方が非生産的だからだ」という考えが浸透しつつある。だが本当は、「働きすぎだから経済が回らない」、これが正しい因果関係である。

過労デフレ

97年の消費税増税以後、リストラによって失業者が増え、残された正社員に過剰な労働負担が押し付けられた。サービス残業が失業者を産み、賃金がカットされ、給与支給総額が下がった。個人消費が減少したために、企業の業績が悪化して、さらに人件費が削減される悪循環が続いた。
小泉構造改革は、この失業者層を非正規雇用へと転換し、失業率を大幅に下げた。だが、これが正社員と非正規雇用のダンピング競争の始まりだった。正社員が減らされ非正規雇用が増え、残った正社員は、給料は増えないのに残業時間はさらに長くなっていった。働けども働けども、消費者は生活必需品すら買えなくなり、商品価格は下がり、労働生産性が低下した。この「過労デフレ」スパイラルが日本経済衰退の原因である。

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日本経済の現状に対して、安倍政権は、「残業代ゼロ法案」などさらなる労働強化で経済成長を目論んでいる。民進党は、増税によって将来不安を除き、経済成長は諦めろと主張する。一見正反対に見える両政策だが、共通しているのは、過去20年間繰り返してきた、国や経済のために国民に犠牲を強いる姿勢である。どちらの道を歩んでも、過労デフレを加速させ、日本経済を崩壊させる。

サービス残業がさらなるサービス残業と非正規雇用を産み、ブラック企業が日本経済をブラック化する悪魔の循環を止めること、それが日本経済を再生させるただ1つの方法である。必要なのは「サービス残業全廃」、「最低賃金アップ」、「消費税減税」、このワンセットの政策パッケージである。
消費税減税によって企業体力をつけ、サビ残全廃と最賃アップによって給与を底上げする。ブラック企業が市場から撤退し、その不当な利益が生活者とホワイト企業へと還元される。そうすれば、労働環境が正常化し、経済は自律回復の道をたどる。死ぬまで働かされる「犠牲の経済」から、「人権の経済」への転換が、私たちの生活だけではなく、日本経済と社会をも救う。


私の論考に興味を持たれた方は、ぜひ本論をご参照ください。「過労デフレ」のメカニズムをデータと理論から実証しています。原稿用紙換算で50枚、A4で20ページほどの内容ですが、noteで100円で購入できます。収益の半分は、エキタス京都へのカンパになります。また、別途カンパもできます。

https://note.mu/aequitaskyoto/n/n9127c3108660

よくわからないけど共感する、という方も、ぜひ拡散いただければと存じます。日本の労働環境と経済システムを変えていくプロジェクトに、ぜひご参加ください。

※この論考は、エキタスおよびエキタス京都の公式見解ではありません。文章の内容は私ishtaristに責任があります。

2017年6月12日月曜日

希望の経済学にむけて―サービス残業が日本経済衰退の原因だ

 

某所で経済について講演をしたので、若干修正をして公開します。

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今日は、経済の話だけでなく、選挙の話、憲法の話、今噂になっている日本会議の話、そういったものがどういうふうに繋がっているのか、経済というのはそもそも何なのかというところから、お話していきたいと思います。

 

日本経済と労働の実態

まず、こちらのグラフをごらんください。一人当たり名目GDPこの20年間のグラフです。経済停滞していたのは先進国の中で、日本だけなんです。

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「資本主義の終焉」や「人口構造」「グローバル化」「ネオリべラリズム」といった一般論ではなく、日本固有のメカニズムがあるはずです。なぜ日本だけこんなことになっているのか、誰もきちんと説明していません。

一般論ですが、原因があって結果があるわけです。診断があって初めて、治療ができる。なのに、エコノミストや財界や政府は、日本が貧しくなった固有のメカニズムを説き明かすことなく、「お金を刷ればいい」とか「痛みを伴う構造改革」とか、適当なことを言って、おかしなドラッグを飲ませ続けた。それが現在の日本経済の姿です。

働き過ぎだから日本人は貧しくなった

今日私がお話ししたいことは、第一に経済の問題とは、「人権」であり、「生命」の話であるということです。日本人が貧しくなった理由は、「人権」を大切にしないからだ。

「日本人は懸命に働いているが、貧しくなっている」ーそれは、日本人の生産性が悪いからだとかよく言われるがそうではない。

働きすぎるから、貧しくなっている。それが本当の因果関係です。

なぜ働きすぎると貧しくなるのか?当たり前の話です。どれだけ働いて物を作っても、買う人がいなければ経済がまわらないからです。

例えば、トヨタとか「若い人はなぜ車を買わないんだろう」とか言って、市場調査とかしてるんです。

なぜ買わないか?若者自身にとっては答えは自明です。お金がないからなんですよ。当たり前のことが、企業や経済学者には今一つわかっていない。

私は、経済問題に特化していなくて、森友問題、原発問題、などツイートしているが、圧倒的に反響があるのは労働問題です。3万リツイートというのは、右から左までが反応しないとそうはならない。ネトウヨから労働者から経営者まで共感しないと得られない数です。

若い世代にとって、労働問題は切実なリアルなんです。

労働と生活の苦しさについて、若い世代の人は、どうしてこうなっているのかという説明と、救済を求めている。「中国共産党が民主党と共産党を操って、日本を守ろうとしている安倍政権を必死になって叩こうとしている」と信じている人が多い。 ただし、そういう物語が支持される現状があり、おそらくその背景に理不尽なまでの労働の実感がある。安倍晋三という人は、反日の理不尽さに立ち向かう人として立ち現れる。だから、安倍政権の個々の政策は全く支持されていないのに、支持率は50%を切らない。

でも安倍さんの「働き方改革」はまやかしで、月100時間で合法とした。第一次安倍政権で進めたのがホワイトカラーエグゼンプション(一定年収の労働者には残業代ゼロ)。経団連は400万円以上を主張しています。単に残業代を払わないというだけでなく、労基法の無効化を狙っている。まさに、ブラック企業合法化です。

無党派層から野党が積極的な支持を得るためには、私たちが人権の立場に立って、「反日勢力が日本を貶めようとしている」なんて無理やりの物語を「日本会議」よりも積極的な救済物語を提示するしかない。

日本人はこんなに貧しくなった。

正規職員 平均年収1998年 419万円→2014年 361万円

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男性1986年、残業は週5時間弱だった。2006年では週平均13時間。週5日で一日2時間残業。一日当たりの労働時間のグラフ→段々上が伸びていて、一日12時間、16時間働いている状況です。

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昨年、山添拓さんの労働実態調査に参加したとき、10代から30代の手取り20万円以上の人が半分(会場ざわつく)。

みなさん、これ新宿の話ですよ?(会場どよめく)

たとえば、月280時間勤務で月手取り12万のプログラマーがいる。

今、こういう時代なのです。

6割の事業所でサービス残業が行われている。サービス残業の被害総額が年間約27兆円。日本のGDP530兆円の5パーセントが残業代が支払われていない。給料がそれだけ押さえられている。だから、企業の売り上げも下がる、そして給料が抑えられるという悪循環にはまっている。

27兆円がきちんと支払われたら、おそらくこの5倍ぐらいGDPの経済効果がある(乗数効果)。逆に言えば、その27兆円の不払い賃金によって、150兆円とか200兆円とか、本来あるべきGDPが抑制されているのです。

経済ってなんだろう?

そもそも、経済とはなんでしょうか。おそらく人類史上もっとも深く経済について思考した人はカール・マルクスだと思います。彼の考えでは、経済とは生命の繋がりの円環のことです。

例)私が養鶏家だとする。飼料を買う。→育ててそれを肉屋に売る。→肉屋は肉を売る。→鶏を買った人がフライドチキンを作り食べる。→食べた人のエネルギーになる。→その人が鶏の飼料を作る。→私が飼料を買って鳥を育てる。

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「生産」は「消費」によって次の「生産」につながっていく。

経済成長とは何か?

多くの政治家や経営家は経済界の人たちは「経済が衰退しているのは、労働者が働かないからだ。」と考えている。

だから安倍政権はブラック企業を合法化しつつ、自民党改憲草案で基本的人権を制限したいと考えている。 多くの人が生活を犠牲にして、労働者に働かせることで、経済成長につながると考えている。

それに対して、一部の学者は経済成長を目指さずに、生活を大事にしましょう。とか、みんなで衰退を受け入れましょうと言う。

どちらの立場も、生活を犠牲にして企業が利益を出すことで経済が成長する、と認識を持っている。だけど、その認識が根本的に間違っているのです。

ここで一つの例を出しましょう。ジャイアンとのび太が、一年に一度、真珠とお金を交換するもっとも単純な経済システムを仮定します。  

のび太はジャイアンから真珠100個を全財産1万円で買った。ジャイアンは、真珠100個をのび太から買い戻すときに暴力をちらつかせて、最初の年1万円で売ったものを9000円で買い戻す。初年のGDPは19000円。

翌年以降も、のび太がジャイアンから真珠を買い、さらにジャイアンがのび太から1割引きで買いたたく・・この経済システムの20年後のGDPはいくらでしょうか?

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答え。20年後のGDPは2567円です。

10000円で買ったものを、9000円で売る。のび太さんは9000円しかないから、真珠を9000円以上で買い戻すことができない。それをジャイアンが買いたたこうとすると、8200円とかになる。こうやってのび太の収入もジャイアンの収入も減っていく。利益だけは増えていくが、GDPは減り続けていく。

大事なことは、GDPを8分の1まで減少させたおそるべき経済衰退は、 ジャイアンが自分の利益を最大化しようとした結果だということです。

多くの人が、経済は金もうけだと思っている。ですが本当は、経済システムは、「誰かが利益を独占すれば、必ず全体が衰退する」システムです。これは、資本主義でも同じ、普遍的な真理です。それを経済学者のほとんどが理解していない。

実はこれは何かに似ているとおもいませんか?

企業が内部留保をためる。貯蓄率下がっていって、給料も下がっていく、GDPも下がっていく。これ、日本の現状にすごく似てますよね。

高度経済成長とバブル崩壊

高度経済成長期に一番借金していたのは企業です。貯蓄をしていたのは家計。 利益を出して貯蓄する。企業が銀行を通して家計から借金をすることで経済が回っている。 給料をもらって、消費して残りの二割ぐらいを貯蓄してそれを融資して、全体に回っていたのが高度経済成長期でした。

それに対して、バブル以降何が起こったのか? バブルの時に企業が借金して財テクに走った、銀行に乗せられて、絵とか土地とか買った。 借金して儲けるのが賢いということで。

ところが、バブル崩壊で資産価値が暴落してしまって、企業の借金が残った。バランスシートが崩れる。 債務超過になってしまって、各企業が儲けた利益で借金返済に回す。投資が激減をして経済が縮小。 その代わりに政府が莫大な財政支出を行った。これが現在の財政危機の原因。

このような「バランスシート不況説」を唱えたのがエコノミストのリチャード・クーですが、その説明は1997年までは全く正しい。ですが、その後の長期経済衰退は、バランスシート不況説では説明がつかない。

1998年以降何が起こったか? 人件費抑制による経済停滞へ

97年の消費税増税と98年の金融恐慌 のときに、企業が賃金を抑制したために消費が停滞し、企業の売り上げが伸びなくなった。

過去30年間をみてみると、統計学的に言って、日本のGDPは99%給与所得によって決定されている。

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要するに、給料を抑制したから消費が増えなくなった。 消費が停滞し、企業の利益がなくなりさらに給料が下がる。

人件費がなぜ抑制されたのか?

ごく簡単に説明します。1998年を境に、企業は金融危機と消費税増税による財政難もあって、人件費に手をつけた。 リストラをしたので、サービス残業をせざるを得なくなった。失業者が増えた。

サービス残業がサービス残業を産み、1社がサービス残業をすると、他の会社も追随してサービス残業せざるを得なくなる。こうなると、企業努力では歯止めが効かない。歯止めを効かせられるのは唯一政府。完全に政府の失政。

安倍政権はブラック化を止めようとしていない。

ブラック経済の自己強化メカニズム

じゃあ、サービス残業を産み出した原因は何か?実は、サービス残業自身です。サービス残業は、実はさらなるサービス残業を産み、経済の隅々に浸透することで、経済をブラックに染めてしまう恐るべき能力を持っています。そのメカニズムを簡単に説明します。

賃金不況スパイラル

重要。98年ぐらいからリストラして、給与総額が低下したので個人消費が低迷して企業の業績が悪化したので、リストラをした。悪循環に突入。

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失業者増加による給与低迷

サービス残業をさせると失業者が増える。サービス残業は年間27兆円の被害総額。サービス残業は違法でどろぼう、だから被害総額です。被害総額28兆円を平均的な給料、年収350万から400万円の給料を払ったら、800万人が雇用できる。サービス残業はそれだけ失業者を増やす。失業者を増やすと労働供給が低下するために、賃金は低下する。この人の代わりがいると思ったら、給料は下がる。完全失業率と給料の上昇率は非常に高い相関関係にある。

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職場崩壊

リストラをする。残りの人が業務を押し付けられる。業務を押し付けられた人が耐え切れなくなって突然やめる。引き継ぎもないまま、うつ病になったり、突然出社拒否する。そうすると、残った人でサービス残業をして離職してということがあちこちで起こっている。ツイッターで「職場崩壊を経験したことがある」というアンケートをとったら、63%だった。

ブラック企業による業界ブラック化

いわゆる業界最大手に君臨しているブラック企業を調べると、面白いことがわかります。みんな、1998年か2000年ぐらいから急拡大しているのです。極端なコストリーダーシップ戦略をとって、シェアを拡大する。 それを可能にしたのが、サービス残業であることは明白です。

1社がサービス残業をやってしまうと業界の企業がサービス残業をやらざるを得なくなる。これも歯止めを効かせられるのは国しかない。

正規・非正規の二極化と相互強化

非正規の問題は重要だが、二次的な問題だと思っている。 ネオ・リベラリズムとか、竹中平蔵のせいで、派遣のせいで日本がだめになったとよく聞くと思われるが、その時期にはGDPは伸びている。

もっと手前で問題が発生している。98年によるリストラによるサービス残業が増加し失業者が増加し、それを背景に非正規雇用を制度化したので、労働者が二極化した。

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派遣会社で最低賃金を切る給料というのはないが、正規で最低賃金を切るというのはある。

先ほど言った280時間働いて月の手取り給料12万円というのは、時給500円切っている。どう考えても正社員でしかありえない。  

喩えて言うなれば、私たちは陸にあげられた金魚のような存在です。右側の池にはクロコダイル、左側がピラニアの池がある。右側に行ったらブラック企業というクロコダイルにぱくっと食われる。左側に行ったらちょくちょく食われてしんどいけど、もうちょっと長生きできるというのが非正規だったりする。

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正規雇用に耐えられなくなった人が、非正規雇用に選ぶということが起こっている。こういうことをしていると、労働生産性も下がる。

ブラック経済の精神的原因

日本人は、右から左まで、 「自己を犠牲にして公に献身する」物語が大好き。そして、組織的な危機を末端の人間の自己犠牲を強要することで乗り切ろうとする。 (特攻隊・竹槍作戦など) 。ブラック企業はそうした自己否定的な精神性の土壌に育ってきた。

すなわち、日本を衰退させたブラック経済という問題は、自民党改憲草案や森友学園事件と根っこが一緒。人権意識の欠如こそがすべて。

森友学園問題で谷さえこさん、総理大臣夫人付が勝手にやったと言われている。 これは、菅野完さんが指摘するように、労務問題なのです。

安倍はこれまでもブラック経済を推進してきたし、これからも必ず推進する。日本人が自己を犠牲にして国家のために働けば働くほど、日本が発展すると信じているから。これが、安倍が言うところの「戦後レジームからの脱却」という言葉の一つの意味です。

何が何でも消費税は減税しないし、ブラック企業は最終的に合法化する。

だから私たちはそういう意味で勝ち目はある。

経済と人権

経済とは生命の問題であり、人権の問題である。

私たちがやらなければいけないこと。すでに20代、30代、40代の労働者はすでに戦争状態、奴隷状態にある。

少なくともそういう人が20パーセントから30パーセントいて、みんな友達から聞いて知っている。

そういうところで、「戦争反対」とか言うけど、私たちはすでに戦争状態なんですよと、なのにそっちは放置なんだと感じてしまう人はいる。それが正しいかどうかは別として、そう感じてしまうという事実がある。そういう状況で精神的に追い詰められているからこそ、ネトウヨ的な世界観に惹かれてしまう。

ある意味経済の問題が解決されれば、精神的な問題が解決される。

生活苦と労働苦からの救済の道を積極的に示すことが大切です。

経済回復のための三つのステップ

消費税減税(8%→3%)

消費税を減税したら、使えるお金が増える。→企業の売り上げがあがる。

サービス残業全廃

労働基準監督署の大幅強化(人数不足)

全国2900人しかいない。少なくとも10倍に増やす。 労働相談は全国で100万件 。これでは監督官は査察に入れない。企業はやりっぱなし。

サービス残業の厳罰化が必要。

雇用者が大幅に増えて、失業率が下がり、企業の売り上げも上がる。 そうすると、無理なく最低賃金も上げやすくなる。

最低賃金アップ

企業の体力が上がったら、最低賃金1500円も実行可能。

この①~③の順番が大切。

希望の経済学に向けて

将来憲法が改正されれば、基本的人権が制限される、と人は言います。でも、現にブラック労働の蔓延という、これだけの人権侵害を私たちは見過ごしてきた。労働者も唯々諾々とそれに従ってきたし、訴えたくても、訴える先がないという状況もあった。

これは奴隷制度に近い。

基本的人権と人権侵害の闘いであって、基本的人権を制限しようとする「自民党改憲草案」に対して、日本国憲法の精神をどれだけ守っていけるのかという闘いだと思うんです。

リベラルが、 いわゆる無党派層と言われる人たちを味方につけられるとするならば、「私たちにとって一番の関心はあなたの人権なんですよ」というその博愛の精神を己の中心に据えること。その上で、真摯に希望の経済を訴えること、その一点にかかってくると思います。   

ご清聴ありがとうございました。

2016年7月9日土曜日

安倍内閣が進める「一億総社畜化計画」

はじめに

先日、「アベノミクスの本丸、ブラック企業合法化法案がやってくる」というタイトルのブログ記事を書きました。先日塩崎厚労大臣の発言についても書いたのですが、やはり「法案を曲解しすぎだ」という批判が来ます。

ところで、最近、「ヒラ社員も残業代ゼロ」構想の全内幕 という記事について読み、驚愕しました。2年前の東洋経済の記事ですが、安倍晋三と経団連・経産省が「全従業員の労働時間規制・残業代規制の撤廃を計画していた」ことが、極めて詳細に書かれています。

もう一つ重要なことは、安倍の言う「一億総活躍」と「女性が輝く社会」というアイディアが、どういう意図のもと、どういう経緯で産まれたのか、二年後の今だからわかります。

「ヒラ社員も残業代ゼロ」構想の全内幕

「ヒラ社員も残業代ゼロ」構想の全内幕 東洋経済オンライン
http://toyokeizai.net/articles/-/38399

この記事は非常に具体的かつ緻密ですが、それだけに一読ではわかりにくいので、要点をかいつまんで説明します。

  • 2014年4月22日、内閣府の経済財政諮問会議・産業競争力会議合同会議で、「労働時間と報酬のリンクを外す「新たな労働時間制度」を創設するとしてAタイプ(労働時間上限要件型)とBタイプ(高収入・ハイパフォーマー型)が提示された。
  • Aタイプは一見意味不明だが、内閣府副大臣の西村康稔、厚生労働副大臣の佐藤茂樹を中心に関係者が集ったその前の非公式会合では、「スマートワーク」という名前だった。
  • その中身は、「本人の同意と労使合意さえあれば、どんな業務内容の新入社員でも労働時間規制が及ばず、残業代なし、深夜・休日割り増しなしで働かせることができる」というもの。この非公式会合の出席者からは、原案を問題視する声は上がらなかった。
  • スマートワークの発案者は、経済産業省経済産業政策局長の菅原郁郎。ただし、第一次安倍政権時に「ホワイトカラーエグゼンプション」で失敗していることもあって、安倍周辺も慎重な物言いを隠せず、経団連も矢面に立つつもりがなく、強力な推進薬が不在。
  • そこで菅原郁郎が着目したキャッチフレーズが「女性の活用」。柔軟な働き方を望む子育て世代や親介護世代の女性の活用のため、という建前に組み替えた。
  • 22日の会合で安倍首相は「時間ではなく成果で評価される働き方にふさわしい、新たな労働時間制度の仕組みを検討していただきたい」と発言。また、5月1日にも「もっと柔軟な働き方ができるように労働法制を変えていく。やり遂げなければ日本は成長できない」と発言。この発言をきっかけに、労働規制緩和のレールが敷かれた。

この記事は、安倍内閣の本音を示す上で極めて重要な資料です。要するに、安倍政権と財界としては、全労働者に対して労働基準法を除外させて、深夜・長時間定額で働かせたいというのが本音。かつ、記事も「東洋経済」という非常に信頼できるソースです。この記事を読んだ人から、次々と「これは社畜化だ」「日本国民の奴隷化だ」という声が上がったのも無理はありません。

大事なことは、安倍政権としては、世論の声を非常に恐れているということ。記事でもかかれているように、労働規制緩和が「本音であるスマートワークまで近づくかは世論の動向次第」です。だからこそ私たちは、彼らの方便にとらわれず、彼らの本音を理解し、常にNOを突きつけていくことが大切だと私は考えます。

自民党改憲草案と一億総社畜化計画

ここで一つだけ、あまり語られていない補助線を引いておきます。2012年に自民党が出した改憲草案との関係です。私は以前、「ブラック企業合法化」の思想と、自民党改憲草案の精神は、根っこが同じであると書きました。

憲法改正と言うと、「9条」ばかり語られることが未だに多いですが、この草案の本質は「基本的人権の制限と、政府に対する国民の従属」にあります。たとえば、改憲草案の第12条は、のようになっています。

(国民の責務)
第十二条 この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力により、保持されなければならない。国民は、これを濫用してはならず、自由及び権利には責任及び義務が伴うことを自覚し、常に公益及び公の秩序に反してはならない。
(太字は現憲法からの変更箇所)

つまり、基本的人権は与えてやるけど、「公益及び公の秩序に反するな」ということです。これは、「給料出してやってるんだから、会社の利益のために何時間でも働くべきだ」というブラック企業の思想と合致します。それだけではなく、たとえ世論の反対があって「全従業員の社畜化」に失敗したとしても、この憲法改正が通れば、憲法を盾にブラック企業が全面的に合法化されることが十分に考えられます。

でも、憲法って抽象的なものだし、私たちの暮らしはあんまり変わらないんじゃないの?というのが多分大部分の日本人の感覚でしょう。確かに日本国憲法は、私たちの生活に直接関係していることは見えにくかった。それは日本国憲法が権力を縛るものだからです。

日本国憲法には、そもそも憲法尊重擁護義務というものがありました。それは、私たちの基本的人権を守るために、権力を委託されている人は日本国憲法を守らなければならない、というものです。

天皇または摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。

自民党改憲草案は、憲法尊重義務は国民に課されています。

第百二条 全て国民は、この憲法を尊重しなければならない。
2 国会議員、国務大臣、裁判官その他の公務員は、この憲法を擁護する義務を負う。

つまり、労働者が自分たちの権利(残業代や休暇その他)を主張するのは、「公益に反する」とみなされその人は憲法尊重擁護義務に違反したことになる。また、賃上げのためのストライキなどは、明らかに「公の秩序」に反することになる。

こんな憲法を、まさに政府の人間は擁護する義務を課されているわけです。つまり、国会議員が労働者の権利を擁護し、ブラック企業を再び非合法化しようとすると、「憲法尊重擁護義務」違反ということになります。

2016年7月2日土曜日

もっと教えて?自民党のこと。

もうすぐ参議院選挙ですね。どちらに投票するにしても、「この道しかない」って自民党が進める政策を、これからも任せて大丈夫かどうか、って選挙ですね。

それで、今回は、自民党ってどんな政党か、自民党の人の発言から調べてみました。どちらを応援ってことはなくて、みんなが使える客観的な資料を提供します。投票の際の考える材料になるとうれしいです。

稲田朋美 自民党政調会長(次期首相候補)

国民のための生活が大事なんて政治は、私は間違っていると思います。いま私たちが生きているのは、私たちの今の生活だけが大事なんじゃなくて、先人から引き継いできた・・・世界中で、日本だけが、道義大国を目指す資格があるんです。

税金や保険料を納めているとか、何十年も前から日本に住んでいるとかいった理由で参政権の正当性を主張するのは、国家不在の論理に基づくもので、選挙権とは国家と運命をともにする覚悟のある者が、国家の運営を決定する事業に参画する資格のことをいうのだという“常識”の欠如が、こういう脳天気な考えにつながっているものと思います
その国のために戦えるか」が国籍の本質だと思います(
日本を弑する人々 国を危うくする偽善者を名指しで糺す

5分でわかる! ブラック企業合法化法案とアベノミクスの正体

先日、ブラック企業合法化法案について書きましたが、長いとお叱りを受けたので、サクっと概要がわかるように要約してみました。拡散用に、是非ご活用ください。より詳しく知りたい方は、先のブログをお読みいただければと思います。z

皆さん、残業代不払いや超長時間労働を合法化する法案、ブラック企業合法化法案が参議院選後すぐに通る見込みだということは、皆さんご存じでしょうか?

残業代不払制度の導入は、第一次政権時からの安倍晋三と財界の悲願です。第二次安倍政権とともに、「アベノミクス」の「第三の矢」の中心政策として、復活しました。人件費を削って長時間労働させれば、日本経済は復活する、と安倍と財界は考えているようです。

でも、この法案が可決されたら、私たちの生活はどうなるのでしょう?そして日本経済は本当によくなるのでしょうか?

2016年7月1日金曜日

塩崎厚労大臣が語っていた、ブラック企業合法化法案の本音

参院選後に通過する見込みの労働基準法改正案について、「ブラック企業合法化法案」が目的であると前回書きました。http://ishtarist.blogspot.jp/2016/06/blog-post.html#more

そうしたら案の定、「高度プロフェッショナル制度をブラック企業合法化だと解釈するのは無理がある」、という感じの反応がありました。

さて、その制度がどのような目的なのか、については、私たちが詮索するより、当事者に語ってもらいましょう。それでは、塩崎厚生労働大臣、よろしくお願いします!

高度プロフェッショナル制度はまあ、1千万円以上もらっている人って、実は働いている人の4%くらいしかいないんですね。そのうちの1・5%は役員ですから、残り2・5%でそれも希望者だけとなればものすごく少ないところでスタートするんですけど、まあ、我々としては小さく産んで大きく育てるという発想を変えて、まあ、時間法制ではかからない、労働時間法制はかからないけど、健康時間ということで別の論理で健康はちゃんと守って、だけどむしろクリエイティビティを重んじる働き方をやってもらうということで、まあ、とりあえず入っていくので、経団連が早速1075万円を下げるんだといったもんだから、まああれでまた質問がむちゃくちゃきましたよ。

 ですから皆さん、それはちょっとぐっと我慢して頂いてですね、まあとりあえず通すことだと言って、合意をしてくれると大変ありがたいと思っています。(ブラック企業被害対策弁護団 http://black-taisaku-bengodan.jp/siozakihatsugen/)

これは法案提出勅語の2015年4月20日、日本経済研究センターの「会員会社・社長朝食会」において100人の財界人を前に語った音声だそうです。

なぜこのような発言をしたかというと、4月6日に榊原経団連会長が記者会見で、

制度が適用される範囲をできるだけ広げていっていただきたい

実効性あるものにするには、(1075万円以上の)年収要件を緩和し、対象職種も広げないといけない

少なくとも全労働者の10%程度は適用を受けられるような制度にすべきだ。

(「年収1075万円以上」の要件緩和を 「脱時間給」めぐり経団連会長 : J-CAST会社ウォッチ http://www.j-cast.com/kaisha/2015/04/13232901.html

経団連会長の「残業代ゼロ制度の対象を広げてほしい」発言に、労働者から悲鳴http://irorio.jp/nagasawamaki/20150407/219526/)

といった発言があり、それに対する反発が大きかったようです。

そこで塩崎厚労大臣はたまらず、「みなさんの要求はわかってますし、私たちも同じ思いです。国民感情を荒立てずに合意を作っていくために、お願いだから目立つ発言は控えてください。あとから対象者を大きく拡大していきますから。」とお願いしたということです。

今は私たちに影響がないのだから、そのときに反対すれば良い、って思う人がいるかもしれません。でも、国会での議論なしに年収要件を少しずつ下げられて、1000万円を900万円にする厚生省令が出されたとき、私たちは反対するでしょうか?900万円が800万円になったら?・・・そうやって500万円が400万円になったら?あなたはいつ反対しますか?

私は、今反対します。ゆでガエルの実験台になる前に、釜に放り込まれる前に声を上げたいとおもいます。