2010年6月7日月曜日

菅直人首相への公開書簡

先ほど、菅直人首相にメールを送付いたしましたしたので、全文アップいたします。あ、ちなみに、面識はありません。

件名 消費税増税は恐慌と財政破綻を同時にもたらす可能性があります。ご再考ください

5月8日の「責任」と題された文章を拝読しました。
確かに、国家財政の問題は非常に深刻な状態にあり、早急に対処が必要です。
しかしその対処法として、消費税増税は、考えうる限りで最悪の選択肢であり、大恐慌と財政破綻を同時にもたらしかねないことを、菅首相には理解していただきたく存じます。

経済システムは、単純化すれば、生産-分配・交換-消費(→生産・・・)サイクルによって成り立っています。
そのサイクルが滞れば、経済は停滞し不況に陥ります。
各種経済指標を見ていると、現在の日本経済のボトルネックは明らかに個人消費です。
その原因は、企業がサービス残業という名の不払い労働を年間40兆円以上に拡大させ、
労働者から消費する時間とお金を奪い、非正規雇用を拡大させることにより、給与総額を抑制しつづけたことです。
このボトルネックを放置しては、日本経済の自律回復はありえません。

消費税を増税するというのは、この個人消費を締め付ける行動です。
消費税をさらに5%アップすることは、給与総額は変わらないので、単純計算で個人消費を4.5%縮小させます。
この消費部門の低下は、生産部門など、他の分野に波及し、連鎖倒産・恐慌を引き起こしかねません。
そうなると、財政収入は思ったより伸びないどころか縮小し、さらに大規模な財政出動を余儀なくされます。
正確なシミュレーションが必要となりますが、最悪のシナリオでは大恐慌と財政破綻が同時に起こるというシナリオまでありえます。
そうなると、日本の経済も社会も、完全に死滅します。
前回、1997年に消費税を増税した後、恐慌になり、、財政出動を余儀なくされ、
かえって国家財政が大幅に悪化したことを考えてください。

繰り返しますが、国家財政の均衡化は非常に大きな課題であり、
それに対して首相が責任感を感じていらっしゃることを、私は嬉しく存じています。
ただ、増税は、経済システムのボトルネックとなっていない余剰部分から取らなければ、
悲惨な結果を生み出してしまう、そのことを日本のためにも、もちろん菅首相のためにも、ご理解いただきたいのです。

なお、このメールは、公開書簡として、私のブログにアップさせていただきます。
あらかじめご了承ください。
http://ishtarist.blogspot.com/
お返事をいただけるのでしたら、その際、ブログへの公開・非公開の可否もご指示いただければと存じます。

大変なご多忙の中、恐縮ではございますが、ご検討いただければと存じます。

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